今年は春先の雪が多かった。こんな残雪の上を馬に乗って行きたかった。馬は残雪の上を器

用に歩いて行くのだ。時々は足を取られながらも、その器用さは人間の心配を凌駕している。

それができたならば、恐らくこの辺りでは何百年ぶりのことであろう。こんな気持ちのいいことを

できないなんてどうかしているぞ、と私は思う。