北斜面は陽当たりが悪いのに、何故、北側を向いて咲くのか?

 ホントかどうかは知らないが、堅香子にとっては陽当たりはさほど重要なことではないらしい。むしろ、『下を向いて咲きたいから』斜面に沿って咲いているだけなのだろう、と思う。

 で、スプリング・エフェメラルという言葉と共に紹介したように、この花々はもうすぐ地上から姿を消すのだ。事実、この日も融けだしたような花々があった。

では、せっかく花を付けたのに、実を結ばない気なのか?

 いや、そうではない。堅香子などの春植物(スプリング・エフェメラル)はエライオソームという物質を種子に付けており、これが好物の蟻に運んでもらうのだそうだ。したがって、花が融けだしたように見えていても、それは人間の勝手な受け取り方に過ぎない。

 それにしても、である。春先の一瞬に花を付け、すぐに地上から姿を消す『春植物』。種子は次の年の春に芽を出し、2年目に葉を1枚、そして7〜8年後にやっと花を付けるのだそうだ。なんとも雄大と言うか、モッタイナイと言うか、人間とは時の流れの感覚が違いすぎる。かくして、堅香子は桜のように人間を虜にするのだ。これが真の戦略なのかも(^-^;)