百年の杉桶露天風呂−月の桂


 

 百年の杉桶露天風呂−月の桂の完成がもうすぐです。といっても、ご覧のように既にお風呂に入ることはできます。未完成なのは露天風呂までの動線と足下灯なのです。この露天風呂は百年もの間、味噌桶として使用されていたものを露天風呂として再び活躍してもらおうと考えたもので、ダッチオーブンなどの野外料理なども楽しめる造りとなっています。また、十和田の大自然を満喫して戴くために山際に設置してありますので、葉っぱや虫や蛇も入浴を楽しみにしていることでしょう(笑)。というように、野趣溢れる露天風呂であることをご了承願います。
 


 

 仲間と一緒に楽しむというのもこの露天風呂の特徴で、水着着用でも結構です。
 


 

 露天風呂からの眺めは十和田の森。照明はお風呂への階段を照らすものでありライトアップではありませんが、ご覧のように深山幽谷の眺めとなります。当館は十和田湖・休屋(やすみや)の一番奥に位置しており、とても静かな環境ですので、こんな景色を楽しむことができるのです。
 


 

 最後に、月の桂にちなんで月が昇ってきたところをご紹介しましょう。月の桂は、月に生えていると考えられていた想像上の大木です。この桂の大木が黄葉するから秋の月は美しくなるとのこと。

 久方の月の桂も秋はなほもみぢすればや照りまさるらむ−古今集
 目には見て手にはとられぬのうちののごとき君にぞありける−伊勢物語

 このように月を眺める暮らしは、現代の生活とは大きく異なっていたことでしょう。私たちは効率を求め過ぎて、本来の生活リズムとは異なった暮らしを余儀なくされているのかもしれません。一晩、ゆっくりと露天風呂-月の桂に浸り、古の人々の暮らしに思いを馳せてみる。お風呂から月を眺めていて、そんな思いが頭を過ぎりました。