高田大岳の急峻な斜面。

 谷地温泉側から登り始めてすぐに、登山道に川のような流れができていた。ここ数日、降り続いた雨がこの円錐形の山から麓に流れ出したのだ。その影響は、こちらの小岳方面にも、当然、あった。麓付近の藪漕ぎは、泥濘の加勢を得て、登山者を難儀させる。

 私は谷地温泉からの登山だったので同じ道を戻る気がしなかったが、こちら側から登って山頂で会った登山者は「この麓の藪漕ぎは二度と御免だ。」とのこと。私にとっては下りだからまだいいものの、これが登りだったら嫌気が差していたことだろう。しかも、こちら側も、ほとんど直登なのである。

しかし、こうして見る高田大岳は、実に美しい。