高山植物群落の見事な紅葉である。午後1時半頃だったろうか、秋の陽射しに輝いていた。

 ここは八甲田大岳の北斜面、駒形の雪田跡である。雪が夏ごろまで残るので雪田といわれる。したがって樹木は育ちにくいが、雪が消えた後は一面の高山植物のお花畑に変貌する。今年は7月の末頃まで雪が残っていた。植物が花をつけ、実を結び、枯れるまでに、僅かに3−4ヶ月しかない。それを思えば、こうして秋の陽に輝く姿は実に感慨深い....儚くも美しく、逞しさすら感じさせる生命の姿である。