U 国内の先進事例

 このように、個々の旅館の立ち上がりにはばらつきがあり、全旅館が足並みをそろえるのは無理である。由布院観光総合事務所の役目は、由布院への旅を思い立った人に適切なアドバイスを与えることができ、何か困った時のバックアップ態勢を持つことである。「何に困っているか」「どうしてほしいか」をあらかじめ聞いておくことで、ほとんどの場合は対応できる。このような「あらかじめ対応」を進めてきた結果、各旅館の役割分担的受け入れ態勢もできてきた。それが「迎える側」の基本的考え方でなければならない。

 観光で生きている湯布院町であることは「ゆふいん観光新聞」を全戸配布していることからもわかる。町民一体となっての街づくりがイコール魅力ある由布院づくりにつながっている。(事務局長 米田誠司さん)

 

(2)「風評」を作り出すこと

 観光は出会いと結びの産業だ。旅館「玉の湯」の稼働率98%は「結び」の力にほかならない。お客様の「いい出会い」を作るお手伝いをするのが旅館の役目であり、人口12千人の町に年間384万人が訪れる由布院の魅力だと自負している。 町を魅力的にすることがいい「風評」を作り、風に乗って全国に広がっていく。「風評」の力は大きい。

 ハードはすぐには変わらないので、ソフトで対応できることから始めることが大切である。しかし、ソフトの整備は旅館の力だけでは無理である。由布院では観光は街づくりのすべてにつながり、街づくり事業が実は観光事業そのものであると考えている。

 

観光にとって、「風評」の力は大きい。

「風評」は風に乗って全国に拡がる。

  
ハードは時間がかかるが、ソフトで風評を作れる。

街づくり(風評づくり)が観光そのもの

  
街づくり(地域づくり)に観光業経営者が主体的に参加すべき

 

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