研究抄録
高齢者や障害者が当然のこととして旅行に出かける時代になったが、青森・東北のバリアフリー観光は進んでいない。大きな理由は観光業の経営制約である。由布院や別府温泉、高山市などの経験は、経営者と行政双方の自己責任とリーダーシップが、リピートへの「磁力」を生みだすことを教えている。
したがって政策支援は、第一に観光業界の「団体支援」ではなく経営改革の「活動支援」へ、第二に行政と業界の「直接タイアップ」事業ではなく、経営者が自ら「協働」を組織し推進する事業への「間接支援」に転じるべきである。
実際に受け入れに踏み切りノウハウを蓄積することなしに生き残りはない。新幹線八戸開業のチャンスを捉えた奥入瀬渓流の歩行者天国化(奥入瀬バリアフリーロード)を提案したい。経営者の姿勢、コミュニティの結束、NPOやボランティアの協力、この3者の「協働」がこの実験の成功と観光業、観光地再生のカギである。
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