T バリアフリー観光の現状
T バリアフリー観光の現状
T.研究の背景
(1)誰もが旅に出かける時代
高齢者や障害を持つ人が、当然のこととして旅行に出かける時代になってきた。総理府の「国民生活に関する世論調査」によれば、生活の中で「レジャー」を重視すると答えた人がもっとも多く、15年以上にわたって第一位を占めている。
なかでも関心を集めているのが旅行である。1年間に旅行をする人は海外、国内合わせて2億人を超えている。国民一人一人が年に一度以上旅行している計算になる。このなかには、高齢者や何らかの障害を持つ人が含まれ、そういう人達にとっても、旅行は普段の生活の中の楽しみのひとつとなってきている。
(2)障害者を拒む観光環境
しかし、青森・東北の観光地、道路、駅、空港、宿泊施設などの観光環境では、バリアフリー対応は十分進んでいない。宿泊施設には施設の不備を理由に障害者の宿泊を拒否する施設がまだ多い(県旅館ホテル生活衛生同業組合調査)。
施設をバリアフリー化するには費用も時間もかかる。しかし、人間(と組織)の意識と行動のあり方(ソフト)を変えることで障害を持つ人や高齢者の旅行はもっと楽になる。楽になれば旅する人も旅を提供する側の人間も楽しい。そして、人間の意識と行動を変えなければ、ハードのバリアフリー化も進まない。
こうした意識と行動の変化を後押しするために、観光客を受け入れる側は自らどのような姿勢と態勢をとればいいのか、そして観光政策はどのようなものでなければならないのか。これが私たちの研究の問題意識である。
生活の中で「レジャー」を重視、第一位
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観光地、道路、駅、空港、宿泊施設のバリアフリー対応は進んでいない。 |
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